PowerShellとCMD（コマンドプロンプト）の詳細比較

概要

PowerShellとCMDは、どちらもWindowsで利用できるコマンドラインインターフェースですが、設計思想や機能、使い方に大きな違いがあります[1][2][3]。

基本構造・設計の違い

CMD（コマンドプロンプト）
- MS-DOSを起源とする、従来型のテキストベースシェル。
- 主にファイル操作やシステムの基本設定、バッチスクリプトの実行など、シンプルな用途に特化[1][2][3]。
- 出力・入力はテキストのみで、複雑なデータ操作には向いていません[4][5]。
PowerShell
- .NET Frameworkを基盤としたオブジェクト指向のシェル＆スクリプト言語。
- 出力がテキストではなく.NETオブジェクトなので、複雑なデータ構造の操作や自動化が容易[1][2][4]。
- システム管理や高度な自動化タスクに特に強みを発揮します[1][3]。

コマンド・構文の違い

操作内容	CMD例	PowerShell例
ディレクトリ作成	mkdir フォルダ名	New-Item -ItemType Directory フォルダ名
ディレクトリ移動	cd フォルダ名	Set-Location フォルダ名
ファイル作成	echo テキスト > test.txt	“テキスト” \| Out-File test.txt
ファイル削除	del test.txt	Remove-Item test.txt
プロセス一覧表示	tasklist	Get-Process
メモ帳起動	start notepad.exe	Start-Process notepad.exe

PowerShellでは「動詞-名詞」形式のコマンドレット（例: Get-Process）が使われ、直感的で拡張性が高いのが特徴です。また、エイリアス機能により短縮コマンドも利用できます[4][5]。

スクリプト機能

CMD
- .batや.cmdファイルによるバッチスクリプトが利用可能。
- 制御構造や変数操作は限定的で、複雑な処理には不向き[2][3]。
PowerShell
- .ps1ファイルによる高度なスクリプト作成が可能。
- ループ、条件分岐、関数、エラーハンドリング、モジュール化など、プログラミング言語並みの機能を持つ[2][3]。

オブジェクト指向 vs テキストベース

Windowsとの統合性・拡張性

CMD
- 基本的なWindows操作が中心。高度な管理には外部ツールが必要[2][5]。
PowerShell
- Windowsの各種サービスや.NET、WMI、COMオブジェクトへのアクセスが可能。
- クラウドサービス（Azure等）やクロスプラットフォーム対応（PowerShell Core）も充実[2]。

学習コスト・パフォーマンス

CMD
- シンプルで学習しやすい。動作も軽量[2][5]。
- 機能が限定的なため、短時間で基本操作を習得可能。
PowerShell
- オブジェクト指向やスクリプト作成の知識が必要なため、学習コストがやや高い[2]。
- 起動はやや遅いが、複雑なタスクでは高い効率を発揮[2][5]。

使い分け例

まとめ

PowerShellはCMDの機能を大幅に拡張した強力なシェルであり、単純な作業はCMDで十分ですが、より高度な自動化や管理にはPowerShellが適しています。今後新しくコマンドラインを学ぶなら、PowerShellの習得がおすすめです[1][2][5]。

Citations:

You can try the commands on our interactive shell.